TOPReportWC2003

World Cup参加報告(酒井 佳子)

  • 第2戦の呼び物は、来年の世界選手権の会場となるASARNA(オッサナと発音) でトレーニングができることにあった。そのため、昨年の世界選手権直後から、この第 2戦に参加しようと決心していた。今シーズンは、スキー0をこよなく愛するスウェーデン人のグスタフソンさんから、 本場のトレーニングや様々な工夫を教わり、今までになく体系的な準備ができた(注: もちろん、コーチングは彼の本職ではない)。こうして、合宿仲間山本賀彦さん、山田 敦史さんと共に第2戦に向かったのであった。
  • 大会に向けての準備 

     今シーズンは複数の合宿が行われた。練習内容の一部は、スキー0のホームページに 載っている。グスタフソンさんからは、速くなるために何をすればいいのか明快に伝え られ、あとは自分がどれだけやるかにかかっていた。   過去のトレーニングと大きく違った点は、週2回筋力トレーニング(サーキット形式) を行うこと、シーズン始めにスキーで2時間LSDを徹底的にすること、スキー0特有 の滑り(ダブルポール、片足スケーティング)を正しく身につけることであった。    平日のトレーニング量は少なかったが、12月7日以降、土日は泊まりがけで練習に 出かけ、50〜60キロ滑って帰宅することが続いた。実際にスキー0をする経験が圧 倒的に少ないため、スキー0大会後は、合宿仲間らとテラインに居残り練習をした。

  • 大会について 

     今回、どんなレース結果が出るのか、全く想像できなかった。ただ、相変わらずレー ス不足から来る自信欠如と劣等感を抱え、どうにかもっと積極的で攻撃的になりたいと 悩んでいた。遠征の直前、ある法律雑誌のコラムで、なぜ女子マラソンのクリスチャン センの記録が長い間破られなかったのかという記事を読んだ。要約すると、選手らが頭 のどこかで「あの記録を破るのは無理だ」と考えているうちは、いくら練習をしても脳 が体にブレーキをかけてしまう、「無理だ」という思いこみから解放された時、次々に 新記録が出てくる、という内容だった。自分もこれまたブレーキをかけた状態にいた。 そんな時、グスタフソンさんから、何となく気が楽になる明快なメールが届いた。「ス キーはOK、レースに集中して良いルート選択をすべし。」   最初のレースは、ミドルディスタンス。直線距離8.5キロ、14ポストで,登距離 は70メートルと平らなテラインであった。
      スタート1分前に地図を取る。前評判どおり複雑な地図。1分の間で、「地図は大き いからレース中に折り返さなきゃ」とか、「ラスポは会場の一角だ」とか思ったり、1ポへのルート確定をしていた。
      ミドルでは気持ちが集中していて、ルート確定、ルートの記憶、地図と現地の照合等 の基本動作をほぼ怠らずに行えた。中盤以降、集中力が続かず、1カ所オーバーランを したり、巡航速度が落ちたところがあったが,ゴール後の気分は良いレースであった。 成績は28位、トップの141パーセント。昨年の世界選手権ではかなり上にいたスイスの選手が、今回は27位で私との差は1分。スイスチームと同じキャビンに戻って から、彼女からは「いいレースをしたんじゃない」とか、スイスのオフィシャルからも 「1分しか差がないよ!」と、半ば驚きを込めて言われた。
      ただ、将来的には20位程度にはなりたい。困難ではあるが、要は各レッグをあと1分ずつ速くすればいいのだ(楽天的過ぎるだろうか)。来年までに、基本動作のスピードアップ、レース後半の集中力の維持、差がでるピステ道での滑りを改善することを念 頭に準備をしたい。また、今までは直視を避けていたワックスの選択についても、そろ そろ取り組む必要がある。   私のもう一つの問題は、レースに安定性がないことだ。リレーとロングは、まるで思考回路が停止してしまい、さんざんな内容だった。気持ちが動揺したのが原因の一つだが、もっと競い合う経験を増やして、動揺しても立て直せる精神を作り上げたい。
  • 2004年世界選手権(WOC)について

     WOCでは4種目が予定されている。スプリントは、OSTERSUNDの中心街から徒歩圏内にあるJAMTLI地区が競技会場となり、ロング、ミドル、リレーは、こ こから車で1時間程度のASARNAと言う小さい町で行われる。今回、いずれの競技 エリアにも立ち入りが許され、チームリーダーには、ASARNAの競技地区のレイア ウトや選手村の説明があった。 OSTERSUNDには常設の、しかもレベルの高いスキーOテラインがある。地図は、スポーツ店「INTER SPORTS」で30クローネで買える。テラインまで 歩こうと思えば可能な距離だし、入り口には無料のシャワー室やサウナ室がある。オーストリアチームなどは、今年のクリスマス休暇にここで合宿をするそうだが、主催者によると「時期的に雪の保証はできない」とのこと。世界選手権前に主催者側が提供する 練習場所も、このテラインである。
     
      ASARNAについては、7月に1週間、テラインに入って良い期間が設けられる。 フットOができるよう、ポストも設置するそうである。スキーOのモービル道が、夏の小道上に付けられることが多いため、夏に訪れることも役立つのではと思われる。
     
      OSUTERSUNDで一番困ったのは、気温の変動が激しいことだった。前日は氷点下17度だったのに、次の日はプラス2度だったりする。ワックスの準備に頭を悩まされそうだ。 来年のWOCでも、細かく複雑な、よりオリエンテーリング能力が要求されるコースが用意されるはずである。複雑な地図に慣れ親しんでおくことも不可欠である。 

  • みなさんにTUSEN TACK! 

      日本では、グスタフソンさん、合宿を企画してくれた武石さん、柴田さん、白鳥さん、OLP兵庫組等々、裏磐梯や留寿都でスキ−0大会を開催して下さったみなさん、資金 援助をして下さった方々スウェーデンでは、食料調達に走ってくれた賀彦さん、カメラマンを引き受けてくれ た山敦さん、夕食に招待してくれたり、様々なアドバイスをくれたコーチの友人PET ERさんとそのガールフレンドINGELAさん、スウェーデンチームの帽子を贈ってくれたKARINさん, リレーを組んでくれたスェーデンのLENAさんとアイルラ ンドのEUNICEさん、壊れたマップホルダーをその場で直してくれた制作者のNO RDENMARKさん、帰りのバス時間が変更になったのも知らずのんきにシャワーを 浴びていた私を呼びに来て、荷物まで運んでくれたロシアのオフィシャル、氷点下20 度近くの夜、凍えながら大会本部へ歩く私たちを車に乗せてくれたノルウェーのオフィ シャル、何かと話相手をしてくれたドイツチーム、下着姿で歩き回られたのには閉口し たけど、フレンドリーだった同宿のスイスチーム、まるで私専属の車のように動き回っ てくれた運転スタッフの方々、こちらの疑問質問に常に誠実に答えてくれた主催者のE RIKSSONさん、惜しみない声援を送ってくれた地元の人たち、に感謝!!